秘史というタイトルよりも、サブタイトルになっている「僕が伝えたかったこと」がしっくりくる内容の物語。
若い人々にもお勧めなのた当然ですが、我々の世代も今一度読んで、どうして育ててもらったかの恩送りの大切さを噛み締める一冊ではないかと思います。
80年代半ばから後半にかけて、日本がバブル景気に沸いていた頃、私は単身テキサス州フォートワースのTandy/Radio Shack本社の買付部門A&A Internationalに転勤で3年間、一度も日本に帰ることもなく牛を観て過ごしていました(笑)そして、帰国後1年目でDELLの極東オフィス立ち上げに飛び込んだのが結婚した翌年の28歳。バブルに浮かれる機会もなく、バブル後の低迷期に落ち込む暇もなく好き勝手に動き回った20−30代でした。そういう機会を与えてもらえたことには、とても感謝しています。
バブル期の20−30代は、働き盛り(30−40代)にバブルが弾け、それまでとは180度違った窮屈な仕事の環境下に置かれたのではないでしょうか? その世代が今50−60代のトップマネジメント。果たして守りでなく、攻めの経営ができる人がどれだけいるか? 社長業と経営者は違うと思います。
この秘史に出てくるように自分たちが20−30代の時に、好きなように暴れさせてくれた上司のような懐の深い大人になれているか自省の切欠も楽しく読みながらもその機会をあたえてくれる一冊だと思います。
懐かしい人々のお名前や知らなかった秘話。そして、懐かしい製品の数々(新卒で携わったTandy Model 100始め、個人的にはCanon NAVIに強烈な印象が残っています。なぜ売れないと当時コメントされたのか。その背景を今度古川さんに直接聞いてみたいところですが)
経営者から若手の皆さんともに手にとってみては如何でしょうか?
そして、エピソード2、3と連載になることを楽しみにしている一人ですが、それが早まるように皆さんで買って、出版社の腰も軽くしましょうか・・・